イベント等でのコーヒー提供に許可は必要か

コーヒーを提供するお店や形式は色々なものがある。カフェ、コーヒースタンド、移動式、ポップアップストア、露天などだ。コーヒーにめっきりハマってしまった自分もいつかは何かしらの形でお店あるいはそれに近いことができればと思うが、今のところそういった機会はほぼ無い。

何かやろうとするならば、小さな勉強会やセミナーなどでゆるくできればと思うが、こうしたことをやる場合には何かしらの許可申請が必要なのかを調べてみた。

結論を先にいってしまえば、市町村区で基準が異なったりするので、その都度専門の窓口に聞くべし、という感じではあるが、この記事では自分なりに調べたこと、そして目黒区に聞いてみた内容を残す。


コーヒーはどういった扱いなのか

飲食業に詳しくない人でも、そういうお店をやるときには「食品衛生責任者」だとか「防火管理者」だとかの資格が必要そうだな、と思うだろう。「防火管理者」に関しては、一定規模の大きさのレストランや食堂でもなければ不要らしく、小さなカフェ、コーヒースタンドの場合には基本的に「食品衛生責任者」だけで良いらしい。

そして本題のコーヒーは「食品」なのかどうかというと悩ましい。生ものを調理したりというわけでもないし、豆を挽いてお湯をいれる、これがどういう扱いなのかがいまいちわからなかったが、ざっくりいうと衛生管理の対象となる「食品」という扱いにはなるようだ。


「喫茶営業」と「飲食営業」

まず先に、コーヒーを提供することが営利目的である場合を考えてみる。この場合、提供するものがコーヒーがメインであり、調理した料理などを提供しない場合は「喫茶営業」の許可が必要となる。逆に調理したもの料理も提供する場合は「飲食営業」の許可が必要となり、シンクの数その他設備が揃っているかも条件になる。

ちなみに町の「喫茶店」と呼ばれるものは料理を提供してたりするので、営業上は「飲食」となる。コーヒースタンドなどの場合は基本的にコーヒーを提供していて、例えば焼き菓子などが売っていても、その焼き菓子を作ったところ(調理加工をしたところ)が許諾を得ているところであれば問題はなさそう。

そしてもう一つ驚いたのは、ショッピングセンターや会社などにあるカップ式の自販機、あれも「喫茶営業」の許可が必要らしい。確かにそこの水道を使ってお湯をつくり...というのは自動でやってるだけで食品衛生上は必要そうではある。


「営利目的」かどうかがポイント

ここからが本題。町内会のイベントだとか、他社の人も参加するセミナーイベントなどでのコーヒー提供はどうだろうか。ポイントはそれが「営利目的」かどうかだ。

つまり、対面でコーヒーを振る舞い、その引き換えにお金をいただいて利益を得るとすれば、それは「営利目的」となり、先ほどあげたような申請と許可が必要となる。

営利を主目的としない場合でも届出の種類は異なってくる。詳しくは東京都福祉保健局のページなどを見てもらうほうがわかりやすいが、単発(期間限定)で開催するようなケースでは「臨時営業」「臨時出店」「模擬店」いずれかに該当しそうだ。後者になるほど条件が限定的あり、「模擬店」は例えば学園祭やPTAのバザーのような「特定多数」が参加する場合の届出となる。

一方「不特定多数」の参加で期間限定であり、そして公共目的である場合は「臨時出店」であり、そうでなければ「臨時営業」の届出と営業許可が必要らしい。なので期間限定であっても「臨時営業」の場合は、催す施設の詳細などを持って保健所の許可をもらわないといけないので結構大変。それに対し「臨時出店」「模擬店」は許可は不要。ただ届出は必要で、担当者の指導などは受ける必要があるらしい。


区の生活衛生課に聞いてみた

この通り、結局なんやかんやの手続きや届出が必要となるのか、と思うとなかなか辛いので、実際に「イベントでコーヒーを振る舞う」には何が必要かを目黒区の生活衛生課に聞いてみた。


Q. セミナーイベントのようなところでコーヒーを提供する場合に届出などは必要か?
A. 基本的には必要。

Q. 食品衛生責任者などの資格も必要?
A. はい、提供場所に対しての届出・許可が必要となります。

Q. 無料で提供する場合は必要か?
A. サービスとして提供する場合は不要です。例えばサロンでお客さまにコーヒーを提供したり、というのは問題ありません。

Q. ではイベントが有料で、コーヒーは無料で提供する場合は?
A. うーん、難しいところですね。イベントの参加費にそれが含まれると考えられば届出や許可が必要となる可能性はあります。このあたりの判断は、実際に担当者で確認するか、あるいはその管轄の市区町村によって変わります。


という感じ。直接コーヒーに対してお金をもらうのでなければ、というあたりがグレーなラインのよう。ただ本当に完全無料となると、それはそれで厳しいので、イベントの主催者に費用を負担してもらうか、あるいは質問したような「イベントは有料、コーヒーは無料」の形式において、コーヒーはあくまでサービスである、という主張でおこなうかだろうか。

このように、なんだかんだ食品衛生責任者の資格が必要となることは多そうなので、実は転職前にひっそり食品衛生責任者の資格を取った。


営業許可や届出以上に、実際に何かを提供して食中毒などを起こさないということが最重要なので、衛生面にはいずれにせよ気をつけたいところだ。

ということで、来年は何かしらの形でコーヒー業をはじめていきたいと思う。


25日目。メリークリスマス!

写真: @_madew

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